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【京漬物】【歴史】京都の伝統野菜を使った三大漬物

近畿地方
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京都伝統野菜の漬物

「京漬物」は聖護院大根や酸茎菜などの京都の伝統野菜を素材の味を生かした薄塩で漬ける京都の郷土料理です。

京都は古来より寺社が数多く存在した事から京野菜を使用した精進料理が発達し、京漬物も同じく発展してきました。

京都は質の良い野菜ができる風土で、昔から大根、蕪、葉物、茄子、根菜などの野菜が数多くつくられてきました。

代表的な京野菜といえば聖護院大根、聖護院蕪、酸茎菜、水菜、壬生菜、賀茂なす、伏見唐辛子、堀川ごぼうなどがあります。

これら京野菜は個性的で市場にはあまり出回っていませんが、古都京都の伝統に相応しく、味わい深く上品な野菜がものが多いです。

京野菜を漬けた漬物を「京漬物」と呼ぶのですが、中でも「千枚漬け」、「すぐき漬け」、「しば漬け」は「京都三大漬物」として有名です。

京野菜
京野菜 / by isado

千枚漬け

近清の千枚漬け / by Yasuo Kida

「千枚漬け」は京野菜の「聖護院蕪」を薄切りにして昆布や唐辛子と共に酢漬けした「京都三大漬物」の一つです。

樽に千枚以上の薄切りにした蕪を漬ける事から「千枚漬け」と呼ばれています。

収穫、洗浄、皮剥きした蕪を聖護院蕪専用の鉋(かんな)でカンナがけをして薄切りにします。塩で下漬けした後に昆布、酢、味醂を加えて本漬けします。

場合によっては唐辛子も加えます。「千枚漬け」は聖護院蕪が収穫できる11月頃から翌年の3月頃まで作られます。

「千枚漬け」は江戸時代末期に孝明天皇御所の宮中大膳寮に使えた料理人の大藤藤三郎が考案した聖護院蕪の漬物です。

藤三郎は蕪の漬物「尾花川漬」を元に聖護院蕪の漬物を作りました。

藤三郎は慶応元年(1865年)、漬物屋「大藤」を開業し、「千枚漬け」の販売をはじめました。

当時は酢を使わずに塩漬けだけで乳酸発酵させた漬物でしたが、現在は大量生産、早期熟成の為に酢漬けにしたものが多く販売されています。

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すぐき漬け

すぐき漬け
すぐき漬け

「すぐき漬け」は京野菜である蕪の一種の「酸茎菜(すぐきな)」を塩漬けした「京都三大漬物」の一つです。

「酸茎菜(すぐきな)」は京都市北区の上賀茂神社で栽培されたのがはじまりとされ、上賀茂神社に奉職する社家が栽培して「すぐき漬け」を生み出しました。

上賀茂神社の社家は毎年御所に「すぐき漬け」を贈り、高級品として珍重されてきました。

「酸茎菜」の栽培は長らく上賀茂神社の社家に限定され、「すぐき漬け」の製法も門外不出とされてきました。

明治時代には上賀茂地区の農家でも栽培されて販売されるようになりましたが、現代になっても地域限定の京野菜としてほとんどが上賀茂地区で栽培されています。

「酸茎菜」は社家の庭で栽培されていた事から「屋敷菜」ともいわれ、また京都御所から種子を賜ったという説もあって「御所菜」ともいわれています。

江戸時代の元禄年間の頃に出された「本朝食鑑」には「年を経て酸味を生ずるので酸茎と称す」と記述されています。

すぐき作り / by Yasuo Kida

しば漬け

しば漬け
しば漬け / photo by amadeusrecord

「しば漬け」は茄子、胡瓜、茗荷などの京野菜を紫蘇の葉と共に漬けた「京都三大漬物」の一つです。

京都市左京区大原は昔から赤紫蘇の産地として有名で、「しば漬け」発祥の地として知られています。「柴漬」、「柴葉漬け」とも書かれ、「柴葉」とは「赤紫蘇(あかしそ)」の事です。

現在は茄子だけでなく胡瓜や茗荷も使って酢で漬けますが、「しば漬け」が生まれた当初は茄子だけを使って赤紫蘇と共に塩だけで乳酸発酵させた漬物でした。

塩漬けだけで乳酸発酵させて作るには長い熟成期間が必要と熟練の技術が必要のため、現在では一部の老舗の漬物店や料亭位でしか作られておらず、「生しば漬け」とも呼ばれています。

しかし、酢漬けにした「しば漬け」は早期熟成と大量生産ができるので、全国的にも普及しています。

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