ママカリずし

岡山県の郷土料理

「ママカリずし」はニシン科の魚「サッパ」を開いて酢漬けにして握り寿司にした岡山県の郷土料理です。「サッパ」は東北以南の沿岸の内湾や河口に生息していますが、食用とするのは主に瀬戸内海沿岸や有明海沿岸地方です。体長10cmほどの背が青くて腹が銀白色のコノシロに似た魚で、鮮やかな色が特徴です。岡山では「サッパ」は「ママカリ」と呼ばれ、「ママカリ料理」として多く消費されており、岡山以外ではあまり食べられる事が少ない為、全国の漁獲量の約9割が岡山で消費されるほどの人気の食材です。「ママカリ料理」には「ママカリずし」の他に酢漬け、塩焼き、から揚げなどがあります。岡山では祭りや祝い事の際には「ママカリ寿司」を作る風習があり、たくさん作り過ぎた時には近所にも配る事があります。脂がのった秋の旬の時期になると地元の人達は海岸に出掛けて「ママカリ」を釣る風景が見られます。


ままかり寿司 / PYONKO

 

「ママカリ」の由来

ニシン科の魚である「サッパ」が岡山でなぜ「ママカリ」と呼ばれるかは諸説ありますが、一番知られているのはその美味しさが由来とする説です。それは「サッパ」があまりにも美味しいので自分の家のご飯を平らげてしまい、それでもまだ食べたいので隣の家にまで「ママ(ご飯)」を「カリ(借り)」に行くほどになったので「ママカリ」と呼ばれるようになったといわれています。「サッパ」と聞いても何でもありませんが、「ママカリ」と聞けばそれほど美味しいのかと食べたくもなるものです。他にも「ママカリ」は秋の稲刈りの時期に脂がのって旬の時期になるので、「ママ(稲)を刈る」との事で「ママカリ」となったともいわれています。


ままかり / Kossy@FINEDAYS

 

「サッパ」の由来と別名

岡山では「ママカリ」と呼ばれる「サッパ」ですが、なぜそう呼ばれるかにも理由があります。まずは味が淡白でサッパリしているから「サッパ」と呼ばれたという説があります。また、笹の葉に似ているから「サッパ」と呼ばれたともいわれます。「サッパ」は他地域では又呼び名が異なります。広島県や香川県では「ワチ」と呼ばれますが、これは畑に獣が侵入してくるのを防止する囲いを「ワチ」と呼び、定置網で捕獲する「サッパ」の事を「ワチ」と呼ぶようになったからです。また、熊本県や佐賀県では「ハダラ」と呼び、表面に斑(はだら)がある魚だからとの事ですが、実際はコノシロと混同されたようです。他にも三重県では「ススポ」、秋田県では「ゲナミ」、伊勢地方では「カツ」、堺では「ガラザエ」、石川県では「キイワシ」、愛知県では「ギッパ」、千葉県では「サッペラ」など様々な呼び名があります。

 

「ママカリずし」の作り方

「ママカリずし」は「ママカリ」を酢漬けにして作ります。まずは「ママカリ」の鱗をそいで、頭と内臓を除去します。骨に沿って開いて塩を振って身を締めます。その後甘酢につけてから酢飯と一緒に握れば出来上がりです。塩で締めたり甘酢に漬ける時間は様々ですので色々試してみましょう。10分~15分もしくは1時間~2時間塩で締める場合や、30分だけ甘酢に漬けたり一昼夜漬ける場合もあります。「ママカリ」を獲る時期によって脂ののり具合も違いますので、調理の方法や時間も作る時期によって違う事もあります。

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ママカリずし」への1件のフィードバック

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