琵琶湖の真鴨の鍋料理
「鴨鍋」は真鴨を豆腐やネギなどの野菜と一緒に煮込んで食べる鍋料理で、滋賀県の代表的な郷土料理です。かつてはシベリアから琵琶湖に飛来してくる真鴨を捕らえて料理していました。
江戸時代には琵琶湖湖北産の真鴨は特産として幕府に献上されていたほどで、江戸時代の天保年間には鴨料理の専門店が存在していました。厳しい冬を乗り切るために鴨の身は引き締まって脂が多くのっており、鴨料理は地元の名物料理として知られています。昔から鴨料理の専門店が多く、鴨猟が禁止される前までは季節限定で11月中旬から2月中旬まで解禁されていました。
現在は琵琶湖での猟は禁止されているので琵琶湖にやってくる天然の真鴨を食べる事はできませんが、琵琶湖周辺では真鴨の飼育が行われていたり、他県では狩猟がされています。地元の料理店ではそうした真鴨を仕入れて鍋をはじめとする鴨料理を提供しています。
合鴨の鴨鍋
飼育や狩猟で真鴨を調達しているとはいえ、真鴨はどうしても数が少ないので、合鴨を使う場合もあります。合鴨は真鴨とアヒルを交配させたものです。真鴨を使った鴨鍋というとなかなか食べられる所はありませんが、合鴨でしたら入手しやすいので全国各地でも鍋料理が普及しています。
鴨がネギを背負ってくる
鴨とネギの相性は抜群で、鴨鍋にはネギが欠かせません。それは事態が益々良くなるといった意味で「鴨がネギを背負ってくる」という慣用句に使われるほどです。鴨鍋では鴨肉はうす切りにして、ネギは白ネギを焼いてから焦げ目をつけて鍋に入れると美味しくなります。
鍋では鴨のもも肉や手羽肉をタタキに団子にして煮込むと出汁が出て、胸肉をうす切りにしてしゃぶしゃぶにしてたべます。抱き身と呼ばれる皮付の胸肉は茹ですぎると固くなるので、さっと茹でる程度が一番美味しく味わえます。ネギの他にはせり、水菜、焼き豆腐、ごぼうなどを入れます。
鴨鍋は出汁が良く出ますので締めにはその出汁を使った料理がオススメです。雑炊はもちろん、うどん、そば、もちなどを入れて食べるのが美味しいです。
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