名古屋名物「ひつまぶし」
「ひつまぶし」はうなぎの蒲焼を細かく刻んでご飯に混ぜた愛知県名古屋市の郷土料理です。
名古屋名物といえば「きしめん」、「味噌カツ」、「味噌煮込みうどん」などがありますが、名物として欠かせないのが「ひつまぶし」です。
「ひつまぶし」は今や全国的に広まった料理ですが、実は愛知県名古屋市の熱田神宮前の「あつた蓬莱軒」の登録商標です。
うなぎの蒲焼をふんだんに使い、ご飯には特製のタレが染みこんで、名古屋名物にふさわしい料理です。
「ひつまぶし」の由来・発祥
「ひつまぶし」の語源はお「櫃(ひつ)」のご飯に蒲焼を「まぶす」事からきています。
「ひつまぶし」の由来は諸説ありますが、はっきりと断定できるわけではありません。
一つは料理屋の賄い食と生まれたという説で、蒲焼として出せないような小さくて質の悪いうなぎを細かく刻んでご飯にまぶして茶漬けにして食べたのがはじまりといわれています。
ちなみに、お茶漬けとして食べるのは賄い料理としてさっと食べられるからという説と、宴会料理の締めでさっぱりと食べやすい様に茶漬けにしたという説もあります。
また、出前として頼まれていた鰻丼が皆で食べるには蒲焼では公平に分けられないので、細かく刻んで皆で均等に食べられるように工夫したという説があります。
そして、出前で使われていた陶器の器では割ってしまう事が多く、代わりに大きくて丈夫なお櫃を使う様になった事から、現在のお櫃の中に入れた「ひつまぶし」が出来上がったのではないかと考えられています。
「ひつまぶし」の発祥については登録商標を持つ「あつた蓬莱軒」が始めたという説と、名古屋市中区の「いば昇」が始めたという説がありますが、どちらも歴史のある老舗です。
「ひつまぶし」の食べ方
「ひつまぶし」はもちろん好きな様に食べて良いのですが、実は正しい食べ方があります。
それは4回に分けて食べる方法です。まずは器に入った「ひつまぶし」をしゃもじで十字を切って4等分にします。
1回目はその4分の1をそのまま食べます。
2回目はねぎ、わさび、のり、三つ葉などの薬味をのせて食べます。
3回目はそれらの薬味をのせて店独自のだし汁やお茶をかけて食べます。
最後の4回目は一番気に入った方法で食べます。
どの食べ方が一番美味しいかは好みになりますので、3種類の方法を試して欲しいというわけです。
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