庄内そばとは?|山形県庄内地方の郷土そば
庄内そばは、山形県の日本海沿い「庄内地方」(主に鶴岡市、酒田市、新潟県との県境エリア)で受け継がれてきた、素朴で風味豊かな郷土そばです。地元では古くからそばの栽培と消費が盛んで、その豊かな食文化から「そばの里」とも称されています。
庄内地方(鶴岡市・酒田市・新潟県境)の位置
庄内地方は、山形県北西部、日本海に面した穏やかな気候の地域です。広大な庄内平野が広がり、稲作やそばの栽培に適した肥沃な土壌を持ちます。中心都市は鶴岡市と酒田市で、北は新潟県と接し、古くから人や物資の交流が盛んでした。
「そばの里」と呼ばれる背景
庄内地方が「そばの里」と呼ばれる理由は、その気候風土と歴史にあります。昼夜の寒暖差が大きく、そばの香りや風味を引き出す条件に恵まれ、江戸時代からそばの生産が盛んになりました。特に玄蕎麦(殻付きそばの実)を丸ごと挽く「挽きぐるみ粉」を使う伝統を今も守っており、地域内には老舗のそば店や名店が多く、日常食としてはもちろん、来客時のおもてなし料理としても欠かせない存在です。
他地域のそばとの大まかな違い
特徴 | 庄内そば | 他地域のそば |
---|---|---|
そば粉の使い方 | 玄そばを丸ごと挽く「挽きぐるみ粉」を使用。香りとコシが強い | 更科(白いそば)や田舎そば(太切り)など地域によって様々 |
麺の太さ・食感 | 細切り〜中太で、手打ち特有の強いコシ | 細いもの、太いもの、均一な長さのものなど多様 |
つゆの特徴 | 甘みがあり、カツオや昆布のだしがまろやか | 醤油辛口や地域独特の出汁など多彩 |
盛り付け・提供方法 | 木箱(板そば)、合盛り、天ぷら・山菜など地元食材を添える | ざる・どんぶり・桶など様々 |
ご当地メニュー | 「麦きり」など小麦麺も名物で、そばと同席することが多い | そば専門や、うどんとの明確な区別 |
特に「麦きり」(細打ちの小麦麺)との合盛りは庄内ならではの提供スタイルで、地元のそば店ではどちらも味わえるのが一般的です。山形県全体が蕎麦文化の盛んな地域ですが、庄内そばは香り高く力強い食感、そして地域の風土が映し出された独自性の強いそばとして、県内外から愛されています。
庄内そばの特徴|香り・風味・コシ・盛り付け
庄内そばは、使用するそば粉から盛り付けのスタイルに至るまで、他地域のそばとは異なる個性を持っています。香り・風味・食感・見た目のすべてにおいて、地元の気候や文化を反映した郷土そばです。
挽きぐるみ粉の使用
庄内そばの最大の特徴は、「挽きぐるみ粉」を用いることです。挽きぐるみとは、そばの実を殻や甘皮、胚乳まですべて丸ごと挽く方法で、外皮に含まれる香りや風味成分を余すことなく生かせます。そのため粉の色はやや黒みを帯び、野趣あふれる風味と豊かな香りが特徴です。さらに、外皮の粒が残るため見た目にも素朴さがあり、食べると力強いそばの味わいを感じられます。
細切り・不揃いの麺
庄内そばは手打ちが主流で、麺は細切りが基本です。ただし機械製麺のような均一さはなく、長さや太さにわずかな不揃いが残ります。これがかえって手打ちならではの温かみを生み、噛みしめるとしっかりとしたコシと歯切れの良さが際立ちます。食感は素朴でありながら滋味深く、香りとともに「食べ応えのあるそば」として親しまれています。
出汁の特徴(鰹・昆布)
つゆは、鰹節や昆布などの上質なだしを使うのが基本です。だしの風味は柔らかくまろやかで、庄内そば特有の香りを引き立てる調和の取れた味わいに仕上がります。醤油の角を抑えたやや甘めの味付けも特徴で、冷たいそばにも温かいそばにも合う万能なつゆです。
盛り付けやスタイルの多様性
庄内そばは、提供スタイルにも独自のバリエーションがあります。
- 板そば
細長い木箱にそばを盛り付ける伝統的な形で、複数人でシェアしやすく、宴席や大人数での食事に適しています。 - むきそば
殻をむいたそばの実を茹で、冷水で締めてからだし汁で味わう、庄内地方独特の料理法。鶏肉やみょうが、椎茸などを具材に使うことが多いです。 - 麦きり
小麦粉を使った細切り麺で、夏場は冷やしてそばと一緒に**「合盛り」**で提供されるのが庄内のそば店の定番。そばと小麦麺の風味の違いを一度に楽しめます。
このように、庄内そばは挽きぐるみの豊かな香り、手打ちによるしっかりとしたコシ、だしの旨みとまろやかさ、そして多彩な提供スタイルによって、地域性と個性を色濃く反映した郷土そばとして愛されています。
庄内そばの由来・歴史・発祥
庄内そばの歴史は非常に古く、その起源は縄文時代までさかのぼるとされます。長い年月の中で技術と食文化が発展し、現在では山形県庄内地方を代表する郷土料理として確固たる地位を築いています。
縄文期のそばの痕跡
山形県を含む日本各地では、縄文時代前期の遺跡からそばの種子が出土しています。これは当時、野生のそばが自生しており、人々の生活に何らかの形で関わっていたことを示す証拠です。ただし、この時期にそばが主食や常食として確立されていたかについては、明確な記録はありません。いずれにしても、庄内地方でも古くからそばと人との関わりがあったと考えられます。
江戸期に「そば切り」技術が伝わる
江戸時代中期の1680年代、江戸で細く切ったそば=「そば切り」が販売されるようになりました。この調理法は数年のうちに庄内地方にも伝わり、現在の庄内そばの原型が形成されます。
当時の庄内は北前船の寄港地として物資や文化が行き交う地域であり、そば切りの技術もこの交流の中で伝播したと考えられます。江戸時代末期には、既に庄内地方でそば屋が営業していた記録が残っており、老舗として現在まで続く店も存在します。
明治以降のそば文化の定着
明治時代に入ると、そば屋の営業はさらに広がり、庄内地方だけでなく山形県全域でそばが日常食として定着します。
戦時中から戦後にかけては、原材料の不足による一時的な衰退期がありましたが、1970年代以降の水田転作政策によりそば栽培が復活。これに伴い手打ちそばや郷土そばを提供する店が増え、庄内そばは全国的にもその名を知られるようになりました。
郷土料理としての発展
庄内そばは、庄内平野の寒暖差の大きい気候と肥沃な土壌を生かした栽培方法、そして玄蕎麦を丸ごと挽く「挽きぐるみ粉」による力強い風味を特徴とします。
さらに、「むきそば」や「麦きり」など、地域独自のバリエーションが発展し、冠婚葬祭や地域行事、日常の食卓にまで深く根付いています。こうして庄内そばは、単なる麺料理ではなく、庄内地方の風土と暮らしを象徴する郷土料理としての地位を確立しました。
庄内そばに使われる材料・具材
庄内そばは、そば粉の選び方や配合比率から具材に至るまで、地元の風土と食文化を色濃く反映しています。特に地元産の玄蕎麦を挽きぐるみで使用する点や、季節感あふれる具材選びは、庄内そばならではの魅力です。
基本材料(そば粉・水・打ち粉)
- そば粉
庄内そばでは、主に庄内地方で収穫された玄蕎麦を使用します。殻ごと挽く「挽きぐるみ粉」を使うため、香りと風味が強く、色味もやや黒みを帯びます。多くの場合、つなぎとして小麦粉を加え、そば粉8割・小麦粉2割程度の配合が一般的です。この配合により、しなやかなコシと口当たりが生まれます。 - 水
粉質や季節によって加える水の量は変わりますが、目安としてそば粉400gに対し約180~250ccが用いられます。水回しでは、水を数回に分けて加え、均一に粉へなじませながら生地をまとめます。 - 打ち粉
麺を伸ばしたり切ったりする際に、生地が麺棒や包丁にくっつかないよう振る粉です。そば粉や小麦粉が用いられ、切り口を美しく保ち、麺同士のくっつきを防ぎます。
代表的な具材
庄内そばの具材は、地域の農産物や山の恵みを生かしたものが多く、季節感を大切にしています。
- 鶏肉
温かいかけそばや「むきそば」によく用いられます。煮込むことで出汁にコクと旨みを与え、そばの風味を引き立てます。 - 山菜
わらび、ぜんまい、ふきなど、庄内の山々で採れる山菜は春から初夏にかけての人気具材。素朴で香り高い味わいがそばとよく合います。 - 天ぷら
季節の野菜(かぼちゃ、なす、ししとう等)や海老の天ぷらは、香ばしさと食感のコントラストを加えます。 - ネギ・薬味
長ネギの辛味や甘味、わさびの爽やかな香り、七味唐辛子の辛味など、薬味はそばの香りを引き立てる重要な役割を果たします。
「むきそば」の具材
「むきそば」は、殻をむいたそばの実を茹で、冷水で締めた後、温かい出汁でいただく庄内地方独自の料理です。具材は素朴ながらも出汁との相性が抜群です。
- 鶏肉
出汁と具材の両方で使われ、旨みを加えます。 - みょうが
爽やかな香りと軽やかな苦味が、むきそば全体を引き締めます。 - 椎茸
出汁に深みを与える香り高い存在。乾燥椎茸を戻して使うことも多いです。 - その他
季節の山菜や長ネギなどが加わり、季節ごとの変化を楽しめます。
庄内そばは、こうした基本材料と具材の組み合わせにより、シンプルでありながら奥行きのある味わいを生み出します。特に「挽きぐるみ粉」で打った麺と、地元食材を活かした具材の調和は、庄内地方の風土と生活文化をそのまま映し出しています。
庄内そばの作り方|家庭での簡単レシピ
庄内そばは、地元では手打ちが基本ですが、家庭でも十分に再現可能です。ここでは本格的な手打ちそばの手順に加え、庄内ならではの「むきそば」の作り方、さらに忙しいときに役立つ時短レシピも紹介します。
1. 手打ちそばの基本工程(約4〜5人分)
材料
- そば粉(庄内産推奨) … 400g
- 小麦粉(つなぎ粉) … 100g
- 水 … 約200〜240ml(粉の状態や湿度で調整)
- 打ち粉(そば粉または片栗粉) … 適量
作り方
- 粉混ぜ
そば粉と小麦粉をボウルに入れ、均一になるまで混ぜる。 - 水回し
水を少しずつ加え、指先で粉全体に水をなじませ、小さなそぼろ状になるまで混ぜる。 - こねる
生地をひとまとめにし、なめらかになるまで練る(耳たぶ程度の柔らかさが目安)。 - のす
打ち粉をした台の上で、生地を円形から四角形に薄く伸ばす(厚さ1.5〜2mm)。 - たたんで切る
生地を数回折り重ね、2mm幅に切る。打ち粉をまぶしてほぐす。 - 茹でる
大鍋にたっぷりのお湯を沸かし、麺をほぐしながら投入。1〜2分で茹で上げる。 - 冷水で締める
ザルにあげ、流水でぬめりを取り、氷水で締める。
2. むきそばの作り方(庄内地方独特の郷土そば)
材料
- そばの実(外皮をむいたもの) … 200g
- 鶏肉(ササミやモモ) … 50〜80g
- みょうが、椎茸、ネギ、山菜など … 適量
- 出汁(鰹+昆布、または鶏ガラ) … 約800ml
- 醤油・みりん・酒 … 各適量
作り方
- そばの実を茹でる
たっぷりの湯で15〜20分、やわらかくなるまで茹でる → 冷水で洗い、ぬめりを取る。 - 具材の下ごしらえ
鶏肉は一口大に、椎茸は薄切り、みょうがは細切りにする。 - 出汁を作る
鍋に出汁を沸かし、醤油・みりん・酒で味付け。鶏肉や野菜を加えて煮る。 - 仕上げ
茹でたそばの実を器に盛り、熱い出汁と具材を注ぐ。冷やして食べる場合は、つゆと具材を冷ましてから盛り付ける。
3. 時短レシピの例
- 乾麺を使用:庄内産そば粉の乾麺や半生麺を茹でるだけで風味が楽しめる。
- 市販めんつゆ活用:めんつゆを出汁や水で割り、みょうが・ネギ・鶏肉を加えて庄内風に。
- そばの実の茹で置き:むきそば用にそばの実を多めに茹で、冷蔵で2〜3日保存しておく。
- 冷凍ストック:茹で上げ後に冷水で締めた麺を1食分ずつ冷凍。食べる直前に沸騰湯で温め直す。
庄内そばの食べ方・旬・季節メニュー
冷たい板そば(夏)

- 山形県では、冷たいそばをお盆のような板に盛る「板そば」というスタイルが定番です。主に宴会や家族でシェアする際に利用され、とても豪快にそばを盛って、強い香りを楽しみながら「ズルズル」と豪快にすするのが正しいマナーとされています(山形県麺類飲食生活衛生同業組合)。
- また、大石田の「そば切り 源四郎」では、板そばに冷たいつゆに加え、温かい“きじ汁”のつけ汁を一緒に提供し、冷・温の両方の味わいが楽しめるスタイルも見られます(じゃらん)。
温かいかけそば(冬)
- 寒い季節には、温かい汁に浸したかけそばや、鶏スープをベースとした鶏出汁そばなどが定番です。山形県、特に庄内では、鶏を使った温かいつゆでいただくそばが親しまれています(山形県麺類飲食生活衛生同業組合)。
- 福凑庵では、冬季限定で「庄内豚肉そば・肉うどん」など、温かい具材が乗った一品も提供されています(syokunomiyakoshounai.com)。
麦きりとの組み合わせ(合盛り)
- 庄内地方の名物「麦きり」は、小麦粉で作る細切りの麺。うどんより細く、稲庭うどんより太い独特の食感があり、冷たいつゆでいただくのが基本スタイルです。喉越しがよく、適度な弾力も魅力です(qkamura.or.jp)。
- 「そば」と「麦きり」のどちらも提供する店では、一緒に楽しむことができる「合盛り」メニューが非常にポピュラーで、特に大人数でのシェアに最適です。板そばでの合盛りスタイルも一般的です(trip-catalog.shonai-airport.co.jp)。
- 例として、福凑庵の三色板そばでは、「十割そば」「モロヘイヤそば」「麦きり」の3種を同時に楽しめる提供があります(syokunomiyakoshounai.com)。
まとめ:季節・スタイル別の庄内そばの楽しみ方
シーン・季節 | 主なスタイル・特徴 |
---|---|
夏のおすすめ | 冷たい板そば:板に豪快に盛られ、冷たいつゆで喉越しを楽しむ。 ※「きじ汁」で温冷の両方楽しむ店もあり |
冬のあったかメニュー | 温かいかけそば・鶏出汁そば:心も体も温まる地元スタイル。肉うどんなど具材が豊富なものも |
通年人気 | そば+麦きり合盛り:そばと小麦麺の違いを一度に味わえる人気スタイル。三色そばなど多彩な展開も |
有名店・庄内蕎麦屋の紹介
庄内地方には、地元の伝統的なそば文化を体験できる名店が数多く存在します。中でも、観光客やそば通から高く評価されているのが、鶴岡市羽黒町の「そば屋 福凑庵」です。また、庄内そば街道沿いには歴史ある老舗店が軒を連ね、さらに県外でも庄内そばを提供する店舗が点在しています。
鶴岡市羽黒町「そば屋 福凑庵」
- 庄内そばの名店として全国的に知られる老舗。
- 十割そば(そば粉100%)を自家製麺で提供し、月山の伏流水を使用することで、コシのある麺と豊かな香りを実現。
- 人気の「三色板そば」では、十割そば、モロヘイヤそば、庄内名物「麦きり」の3種類を一度に味わえる。
- メニューは天ぷら、鴨南蛮そば、おろしとろろそばなど多彩。
- 地元産の漬物が食べ放題になる漬物バイキングも魅力の一つ。
- アクセスはJR鶴岡駅から車で約20分、庄内あさひICから車で15分。駐車場は約50台分。
- 営業時間:11:00〜15:00(L.O)、定休日:水曜日。ランチタイムは混雑するが回転は早い。
庄内そば街道沿いの老舗
- 庄内地域には「そば街道」と呼ばれるエリアがあり、沿線には地元産そば粉を使い、手打ち製法を守る店が集まる。
- 板そばやむきそばなど、庄内特有のメニューが各店で提供され、観光客から地元民まで幅広く利用されている。
- 店舗ごとに独自のつゆや麺の仕立てがあり、食べ比べも楽しめる。
小山市・大阪府など庄内そば提供店
- 栃木県小山市の「庄内駅」周辺や、大阪府など関東以外の地域にも庄内そばを扱う店が存在。
- 本場庄内地方の味と完全に同一ではない場合もあるが、挽きぐるみ粉の使用や板そば風の盛り付けなど、庄内そばの特徴を生かしたメニューが楽しめる。
- これらの店舗は、庄内そば文化の全国普及に一役買っている。
美味しい庄内そばの楽しみ方と通販情報
庄内そばは、現地で食べる味わいはもちろん、道の駅や特産品ショップ、さらには通販でも手軽に楽しむことができます。それぞれのシーンでの魅力をご紹介します。
現地で食べる魅力
庄内地方の豊かな自然と寒暖差のある気候は、そばの香りと甘みを引き出す理想的な環境です。
現地で味わう庄内そばは、地元産の玄蕎麦を挽きぐるみ粉にして打ち上げた麺ならではの香りとコシが格別です。特におすすめは以下のような庄内独特のメニューです。
- 板そば:木箱に盛り付けた豪快なスタイル。冷たいつゆで麺の風味をじっくり堪能できる。
- むきそば:そばの実を茹でて出汁とともにいただく、素朴で滋味深い一品。
- 麦きり:小麦粉で作る細麺で、そばと一緒に「合盛り」で提供されることも多い。
さらに、地元の天ぷらや山菜、旬の具材と組み合わせて味わえば、季節感も楽しめます。
道の駅や特産品ショップ
庄内地方には、地元食材やそばを扱う道の駅・物産館が充実しています。
- 庄内観光物産館ふるさと本舗(鶴岡市)
庄内の土産物のほか、地元漬物、果物、海産物など幅広く取り扱い。館内の食事処では麦きりや郷土料理、庄内ラーメンなどが楽しめます。
デザートには、庄内名産「だだちゃ豆」のジェラートも人気です。 - 道の駅しょうない風車市場
地元産の山菜や加工品を販売するほか、レストランで庄内の味覚を味わえる施設です。
これらの施設は観光の合間の食事やお土産購入に最適で、旅の思い出をより深めてくれます。
通販で購入できる乾麺・むきそばセット
庄内そばはオンライン通販や各地の物産館を通じて全国に届けられています。
- 商品タイプ
- 庄内産そば粉使用の乾麺・半生麺
- 手打ち風生麺セット
- むきそば用のそばの実と出汁のセット
- 特徴
本場の香り高いそばを自宅で手軽に再現可能。季節限定商品や、だだちゃ豆・山菜など地元特産品とのセットも人気です。 - 用途
贈答用やお中元・お歳暮にも適しており、箱詰めや化粧箱入りの商品も多数。
まとめ
現地では、板そばやむきそば、麦きりなど多様なスタイルと地元食材の組み合わせを楽しみ、旅先ならではの雰囲気とともに味わうのが一番の醍醐味です。そして帰宅後も、道の駅や通販で購入したそばを自宅で調理すれば、庄内そばの魅力を繰り返し堪能できます。
英語での紹介方法|Shonai Sobaの魅力を海外へ
庄内そばを海外向けに発信する際は、料理名をそのまま固有名詞として使いつつ、分かりやすい説明を添えるのが効果的です。特に観光案内や飲食店メニューでは、風味や食感、歴史的背景を簡潔に伝えることで、旅行者の興味を引きます。
1. 英語での呼び方・基本表現
- Shonai Soba
山形県庄内地方で伝統的に食べられてきた手打ちそば。
Example: Shonai Soba is a traditional buckwheat noodle from the Shonai region of Yamagata Prefecture, Japan. - Muki Soba (Hulled Buckwheat Groats)
殻をむいたそばの実を茹でて出汁で食べる、庄内独特の料理。
Example: Muki Soba is a local specialty made from hulled buckwheat groats, served in a savory broth with seasonal ingredients. - そば全般の表現:buckwheat noodles(一般的)、Japanese soba noodles(説明的で分かりやすい)
2. 観光案内用の英語例
Shonai Soba is a local delicacy in the Shonai area, located along the Sea of Japan in Yamagata Prefecture.
Made with coarsely milled buckwheat flour called hikigurumi (including the husk), it offers a rich aroma, firm texture, and earthy flavor.
Popular serving styles include “Ita Soba”, presented in a flat wooden tray, and “Muki Soba”, made from whole boiled buckwheat groats.
Visitors can also try “Mugi Kiri”, thin wheat noodles often served together with soba in a combination set.
3. メニュー表記例(レストラン用)
- Shonai Soba – Handmade buckwheat noodles from the Shonai region. Served chilled with a mild soy-based dipping sauce or in hot broth.
- Muki Soba – Hulled buckwheat groats served in a clear broth with chicken, mushrooms, and seasonal vegetables.
- Ita Soba – Chilled soba presented in a flat wooden tray, ideal for sharing.
- Aigomori – Half soba and half “Mugi Kiri” thin wheat noodles, served with dipping sauce.
4. 海外向けに魅力を伝えるポイント
- Flavor & Texture
「香ばしい風味」= earthy and nutty flavor
「強いコシ」= firm and chewy texture
→ 風味・食感を具体的に表現。 - Origin Story
江戸時代からの歴史や庄内地方の風土を簡潔に触れる。 - Visual Appeal
板そばの木箱盛り、むきそばの素朴な見た目を写真で見せる。 - Cultural Experience
食事だけでなく、そば打ち体験や季節の地元食材との組み合わせなど、文化体験として紹介。
まとめ|庄内そばの郷土料理としての価値
庄内そばは、山形県庄内地方の自然環境と人々の暮らしが生み出した、香り高く風味豊かな郷土そばです。
寒暖差の大きい気候と肥沃な土壌がそば栽培に適し、江戸時代に伝わった「そば切り」技術と地域特有の挽きぐるみ粉の使用によって、独自の食文化が育まれてきました。
地域に根付く伝統と多様性
- 板そば・むきそば・麦きりなど、多彩なスタイルと提供方法があり、季節ごとに異なる味わいを楽しめます。
- 鶴岡市や酒田市を中心に、地元のそば街道や名店が伝統を守りつつ新しいメニューも開発。
- 山菜や鶏肉など、地域の旬の食材と組み合わせることで、その時期ならではの風味が味わえるのも魅力です。
郷土料理としての意義
庄内そばは単なる麺料理ではなく、地域の風土・歴史・人の営みを映す文化遺産といえます。
冠婚葬祭や季節の行事、日常の食事にまで深く入り込み、世代を超えて受け継がれてきました。
また、県外や海外にもその魅力が広まりつつあり、観光資源としても大きな役割を担っています。
未来への展望
- 食文化の継承:地元の生産者や飲食店、観光事業者が一体となり、そば打ち体験や食育活動を通じて若い世代へ伝承。
- 地域ブランドの確立:庄内産そば粉やむきそばのブランド化、全国・海外への発信強化。
- 観光との融合:道の駅や物産館での提供、郷土料理イベントやそば祭りなど、観光と食文化の相乗効果を生む取り組み。
庄内そばは、香り・風味・コシに優れた麺の美味しさはもちろん、地域の歴史と暮らしを映す貴重な郷土料理です。
今後もその価値を守り、さらに広く発信していくことで、庄内地方の魅力を多くの人に届け続ける存在となるでしょう。
参考文献一覧
- 「庄内そば」郷土料理紹介ページ – みんなの郷土料理(農林水産省)
http://kyoudo-ryouri.com/ja/food/2156.html - 食べログまとめ – 庄内そば特集
https://tabelog.com/matome/17296/ - 「そばの歴史」 – たぬき大光
https://www.tanukitaikou.jp/history.html - 山形のそば文化 – 山形県農業総合研究センター
https://www.yamagata.nmai.org/crops/umaimono/local/soba.html - むきそばについて – 清川屋
https://www.kiyokawaya.com/yamagata/38076/ - 山形県観光情報ポータルサイト – やまがたへの旅
https://yamagatakanko.com/features/detail_379.html - 「麦きり」紹介 – 庄内空港トリップカタログ
https://trip-catalog.shonai-airport.co.jp/introduce/article32/ - 「鶴岡市羽黒町 そば屋 福凑庵」店舗情報 – 食の都庄内公式サイト
https://syokunomiyakoshounai.com/syounai-food/s0370.html - Retty – 福凑庵 レビュー
https://retty.me/area/PRE06/ARE299/SUB29902/100001193068/ - 道の駅しょうない風車市場 – 全国道の駅情報
https://www.michi-no-eki.jp/stations/views/19861 - 庄内観光物産館ふるさと本舗 – 庄内観光物産館公式サイト
https://www.navishonai.jp/spot/92.html - そば打ち手順解説 – 本間製麺
http://www.hounen.com/mendougu/howto/ - 「挽きぐるみそば粉」について – 高山製粉
https://www.takayamaseihun.co.jp/column/artisan-buckwheat-ratio.php - 「挽きぐるみそば粉」ブログ – そばほんだ
https://www.sobahonda.co.jp/blog/soba_hikigurumi/
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