北海道の郷土料理 「スープカレー」とは
「スープカレー」とは通常のとろみのついたルーカレーとは異なるサラサラしたスープ状のカレーで、北海道の郷土料理です。今では北海道の郷土料理とは思えないほど全国的に普及しています。
「スープカレー」はごはんにかけて食べてはいけないというわけではありませんが、通常はご飯と別々に出されてスプーンにすくったご飯を「スープカレー」にくぐらせて食べるのが正式な食べ方です。
普通のルーカレーは甘口から辛口までありますが、「スープカレー」は基本的に辛口の場合が多く、好みに応じて辛さの程度を調節します。
「スープカレー」のスープは辛口ですがスープの旨味を追求している店も多く、鶏肉や野菜で出汁をとり、数多くのスパイスを調合して旨味とコクを出しています。
具材は野菜は総じてブツ切りで豪快に入っていますが十分に煮込んでおり、スプーンで具をほぐしながら食べる事ができます。野菜は北海道ならではのじゃがいも、たまねぎ、にんじん、他にもピーマン、かぼちゃ、ブロッコリー、なす、オクラなど様々です。
また、ダシは鶏肉でとる事が多いですが、具としてもチキンレッグや骨付きのチキンを丸ごと入れたり、豚の角煮、ラムチョップや魚介類などバリエーションがあります。
北海道の札幌市内には「スープカレー」を提供する店が200店舗以上もあるといわれ、各店それぞれ味付けや具材が異なる独自の「スープカレー」があります。
「スープカレー」の発祥・由来
「スープカレー」は北海道で誕生した郷土料理ですが、発祥は札幌市の喫茶店「アジャンタ」と専門店「マジックスパイス」といわれています。
富山県出身の「アジャンタ」の店主は漢方の薬膳スープとインドのスパイス料理を組み合わせた「薬膳カリィ」を1971年に販売し始めました。
当初は「薬膳カリィ」と呼ばれていて現在の様に具が全く入っていない完全にスープ状のカレーでした。
その後、客の要望によりダシにとっていた鶏肉や野菜を入れるようになり具が入った「薬膳カリィ」となります。
まだそれまでは「スープカレー」とは呼ばれておらず、はじめて「スープカレー」という名称で提供したのは「マジックスパイス」です。
「マジックスパイス」は「薬膳カリィ」にインドネシアの鶏肉のスープ料理であるソトアヤムをアレンジして、初めて「スープカレー」というメニューで提供しました。
1980年代にはまだ「スープカレー」の名前は使われていませんでしたが、既に札幌では人気が高まり専門店が増えていきました。
その後、2000年を過ぎる頃には一躍ブームになり、札幌市内には200を超える店舗が「スープカレー」を提供するようになりました。こうして「スープカレー」は一気に札幌、ひいては北海道を代表する郷土料理の一つとなったのです。
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