大分県の郷土料理
「手延べ団子汁」は平たく伸ばした小麦粉の団子とごぼう、にんじん、しいたけ、里芋などの野菜を入れて煮込んだ味噌又は醤油仕立ての汁物で、大分県の郷土料理です。
「手延べ団子」とは小麦粉に水又は塩水を加えて柔らかく練って平たく伸ばしたもので、形状的には「団子」というより「麺」に近いです。
この麺状の「団子」をちぎって汁の中に入れるのですが、手で延ばしてちぎる事で汁に絡みやすく食感も良くなります。
大分県全域で食されている郷土料理で、地域によっては麺状ではなく丸い団子状の「手延べ団子」の場合もあります。
また、地域だけでなく季節によっても具の野菜も異なり、作り方も違う場合があります。いずれにしても大分県で長らく愛されている家庭料理、郷土料理です。
「手延べ団子汁」の発祥・由来
「手延べ団子汁」は16世紀に豊後の戦国大名の大友義鎮(宗麟)が「あわびの腸(鮑腸)」が好きで良く食べていましたが、ない時に「手延べ団子」を「鮑腸(ほうちょう)」に似せて作ったのがはじまりといわれています。
鮑が不漁の時や合戦の最中は鮑が獲れないので、家臣が代わりに「手延べ団子」を汁に入れて出した所、殿様は大変喜んだらしいです。
ちなみに、大分県の郷土料理に同じ名前の「鮑腸(ほうちょう)」がありますが、これは1本の長さが2メートルにも及ぶ麺でつゆにつけて食べます。
「やせうま」とは?手延べ団子のお菓子
「手延べ団子汁」の「手延べ団子」をきな粉餅のようにした料理に「やせうま」があります。
「やせうま」は「手延べ団子汁」と同じ大分県の郷土料理で、小麦粉の生地を手延べして平麺状にして茹でたものにきな粉と砂糖をまぶして食べます。
料理というよりはおやつにする菓子といったもので、今でも大分県ではよく食べられています。
発祥は昔貴族の主君の子供に仕えていた京都の八瀬出身の乳母が子供が「八瀬、うま、うま」とおやつをねだった際につくったのものがはじまりといわれています。
「やせ、うま、うま」が略されて乳母が出すおやつが「やせうま」と呼ばれるようになったとの説です。
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