おっきりこみ

群馬県と埼玉県北部の郷土料理

「おっきりこみ」は「おきりこみ」、「煮ぼうとう」とも呼ばれる群馬県と埼玉県北部の秩父地方に伝わる郷土料理です。季節の野菜と手打ちの幅が広い小麦粉の麺を煮込んだ麺料理です。季節の野菜は里芋、大根、にんじん、じゃがいも、椎茸、長ネギ、下仁田ネギ、白菜、ほうれん草、なす、さやいんげんなど様々です。野菜の他にも油揚げや鶏肉、豚肉を入れる事もあります。群馬県は昔から小麦粉の生産が盛んで現在でも全国有数の生産高ですが、「水沢うどん」、「館林うどん」、「桐生うどん」、「太田焼きそば」や「焼きまんじゅう」など粉物の食文化が発達しており、「おっきりこみ」もその一つです。「おっきりこみ」は同じ様に野菜と幅広の麺を煮込む麺料理である山梨県の郷土料理「ほうとう」に似ています。「ほうとう」と同じく麺は塩を含まない生麺で、打ち粉のついたまま煮込みます。塩を含んでいないので別に茹でる事はせず一緒に煮込む事ができて、また打ち粉がついたまま煮込むので汁にとろみがつくのが特徴です。一方、「ほうとう」との違いは麺の大きさと味付けに挙げられます。「ほうとう」の麺も一般的なうどんの麺と比べると幅が広い太麺ですが、「おっきりこみ」の麺の幅は3cmほどにもなる特大の麺です。実際、あまりに忙しい時は麺というよりこねた小麦をちぎって入れる様なすいとんにして食べたともいわれています。更に、「ほうとう」は味噌で煮込みますが、「おっきりこみ」は味噌、醤油もしくは両方で煮込みます。


おっきりこみ! / senov

 

「おっきりこみ」の語源


煮ぼうとう / onohiroki

麺料理の「おっきりこみ」がなぜそう呼ばれるのかはその作り方にあります。「おっきりこみ」は「おきりこみ」とも呼ばれますが、漢字では「おっ切り込み」、「お切り込み」と書きます。「切り込み」とは麺を「切っては入れ、切っては入れ」る事を意味していて、野菜などの具材を煮込んでいる最中に麺を手早く切り込んで鍋に入れていくわけです。昔はどの家庭にも囲炉裏があって、その囲炉裏で鍋の中に沢山の野菜を入れて、火をかけて煮込んでいる最中に麺を入れていきました。普通のうどんの様に麺だけを別に茹でる事はせず、その作り方は「ほうとう」と似ています。昔の上州、現在の群馬県の女性達が農作業を終えて夕食を作る際に、時間がないからと手っ取り早く野菜と麺を「切り込んで」作ったとも伝えられています。

 

「おっきりこみ」の歴史

「おっきりこみ」は平安末期の12世紀に新田義重が中国から伝わって宮中で食べられていた料理を上野の国、現在の群馬県に伝え広めたといわれています。新田義重は源義家の孫で源義重とも呼び、上野の国を本拠地とした豪族新田氏の開祖です。義重は当時宮中で「大炊介(おおいのすけ)」と呼ばれる食材の手配や食事の準備をする役目をしており、その時に中国から伝わった「ぶと」と呼ばれる料理に触れ、それが後に日本では「ほうとう」として広まったといわれています。その製法を上野の国、上州に持ち帰って「上州ほうとう」ともいわれる「おっきりこみ」として広まったとされています。

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