沖縄県の郷土料理「沖縄そば」とは
「沖縄そば」は小麦粉で作られた麺を豚骨と鰹節を出汁にしたスープに入れて様々な具をトッピングした麺料理で、沖縄県の郷土料理です。
沖縄では「そば」は方言で「すば」といい、「沖縄そば」は単に「すば」もしくは「うちなーすば」といいます。
「そば」といっても蕎麦粉を使った麺ではなく、かんすい(塩分を含んだ水)又は灰汁を練り込んだ小麦粉の麺で中華麺に近い麺を使用しています。
麺は中華麺の様に黄色く、歯ごたえとコシがあり、独特の食感を出す為に茹でた後に油が塗られています。麺の作り方は中華麺と同じです。
また、「沖縄そば」と一口にいっても麺の太さや形状、スープの出汁、トッピングの具などは地域によって様々です。一般的な「沖縄そば」には豚の三枚肉、かまぼこ、ねぎがトッピングされています。
「沖縄そば」の発祥・由来と歴史
「沖縄そば」の発祥は琉球王朝の時代の宮廷料理にまで遡ります。麺は「そば」といっても蕎麦粉を使った日本そばではなく、中華麺を使った「中華そば」の部類になり、その名の通り中国から伝わったものではないかと思われます。
琉球は古来より中国との交易が盛んで、食文化の影響も多大に受けていました。
沖縄では宮廷料理として限定的に食されていましたが、明治時代、大正時代になると急速に「沖縄そば」を提供する店が増え、一般にも広まっていきました。
その後、戦後になってからは沖縄全体に普及するようになり、各地で独自の工夫や変化をしながら日常的に食べる県民食として定着するようになりました。
現在、沖縄県では「沖縄そば」を提供する専門店は300以上、専門店以外でもメニューに置いてあるという店は2000近くあるといわれ、県内の消費量は1日15万食以上とされ、沖縄県民は日常的に食べている料理となっています。
「沖縄そば」の種類
「沖縄そば」は沖縄県内で食べられている小麦粉の麺に豚骨や鰹節ベースのスープで食べる麺料理を総称していますが、県内でも地域毎に麺、スープ、具が異なり、呼び名も違います。
麺の形状としては沖縄本島の北部では平打ち麺、南部ではちぢれた太麺が多く、八重山列島では細麺が主流です。
地域によって呼び名も異なり、八重山そば、宮古そば、名護そば、首里そば、那覇そば、与那原そば、久米島そば、大東そばなどがあります。
また、トッピングの具によっても呼び名が異なり、豚の骨付き肉がのった「ソーキそば」、「てびち(豚足)そば」、「中味(豚モツ)そば」、「野菜そば」、「よもぎそば」、「アーサ(あおさ・海藻)そば」、「ゆし豆腐そば」などがあります。
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